相続
相続ってどうするの?⑦ ~相続放棄~
こんにちは!リンクジャパンです。
前回は「遺留分」についてお話ししました。
前回までは、相続人が遺産を相続する前提のお話でした。
相続の対象となる遺産には、プラスの財産もあれば、借金などのマイナスの財産もあります。
「マイナスの財産が多い場合はどうしたらいいの?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
今回は「相続放棄」についてです。
💡相続の方法
相続人は、原則、相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、以下の3つの方法から相続の方法を選択する必要があります。
①単純承認
プラスの財産もマイナスの財産も全て相続することです。特別な手続きが必要ないため、一般的な相続ですが、借金や負債も相続することになるため、注意が必要です。
②限定承認
相続人が相続によって得たプラスの財産を限度としてマイナスの財産を引き継ぐことです。相続人全員の合意が必要です。被相続人が亡くなって相続することを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。
③相続放棄
プラスの財産もマイナスの財産も相続することを一切放棄することです。相続人単独の意思で決めることができます。被相続人が亡くなって相続することを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。
💡相続放棄する場合の注意点
相続を放棄した場合の主な注意点をご紹介します。
①遺産を処分すると相続放棄できなくなる
相続を放棄する前に被相続人の財産を使用したり、処分すると、単純承認したとみなされ相続放棄できなくなってしまいます。
例)
・被相続人の預貯金を使う、解約する、名義変更する
・不動産の名義を変更する
・貴金属や高価な骨董品を持ち帰る
・財産を売却、廃棄する など
②後順位の相続人に迷惑がかかることがある
相続するかしないかを決める権利は、自身が放棄したら終わりではなく、下記の順位の通りに移っていきます。そのため、「事前に知らされておらず債権者からの連絡によって自分が相続人であることを知った」など親族間でトラブルにならないよう注意が必要です。
<相続権の順位>
・配偶者は常に相続人
・第1順位(直系卑属) 被相続人の子(子がいない場合は孫)
・第2順位(直系尊属) 被相続人の父母(父母がいない場合は祖父母)
・第3順位(傍系血族 ) 被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹がいない場合は甥・姪)
③相続放棄は原則撤回できない
相続放棄を申し立て、受理されると、3か月の期限内であっても撤回することができません。相続放棄した後でプラスの財産が見つかった、となっても撤回できないため、相続を放棄する前に遺産は何があるか十分調査することが大切です。
💡相続放棄に関する手続き
必要書類や書類の提出先についてです。
<必要書類>
・相続放棄申述書
・被相続人の住民票除票または戸籍附票
・相続放棄する人の戸籍謄本 など
その他の必要な書類は、誰が相続放棄するかによって異なりますので、詳細は下記ページをご確認ください。
・参考 裁判所「相続の放棄の申述」
URL https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
<提出先>
被相続人の最後の住所地を管轄している家庭裁判所
実際に相続が始まってからマイナスの財産について知ると、短期間で決めることが多く大変なため、現在所有している財産について、家族が元気なうちに聞いておくことが大切です。
相続放棄について詳しく相談したい、という方は司法書士や弁護士へご相談ください。